Thursday, August 17, 2017
 

受託デザイナーが「作る」ことよりも先に大事にすべきこと

この記事は、受託のデザイナーさん、また何か表現をしたいけどどうしてよいかわからないとお悩みの方向けの記事です。

2011年もいよいよ終わろうとしております。
今年は地震や訃報が多かったり、いろいろと心を傷めた年だったなと個人的に感じております。

また個人的にも6月からフリーランスのWebディレクターとして活動を始めたりしたせいか、今まで以上にあっという間の1年でした。
ブログも10月を最後に更新が止まっておりましたが、「このまま終わるよりも何かアウトプットして終わりたい!」と思うにいたり、年の最後になりますが、論じたいと思います。

 

デザイナーはデザインする事だけが仕事か

 

基本、デザイナーはクライアント(代理店)から依頼を受けて仕事に入ります。
その中でクライアントから「とりあえずトップページのイメージを作ってよ」と言われる事もあるでしょう。

原稿があればまだマシですが、薄ぼんやりとしたサイト構想から、
テキスト部分はダミーだらけのページのモックを作って提出。
先方からの戻しは「ここの色味が〜」とか「もうすこしインパクトが〜」ばかりで、
ちっともコンテンツの全容がわからないまま制作が進行してしまった経験が一度はあるのではないでしょうか。

デザインコンペなども同じで、ビジュアルのみの選択基準でサイトの方向性が決定し、
あとのせでコンテンツの辻褄を合わせていく作り方をしていくこともあります。
経済的な理由は、ちょっと置いておいて、こういった制作を継続する事はデメリットが多いです。

 

表現の基本は、誰に 何を どう伝えるか

 

人は何かを作るor買う時、まず完成品、もしくはそれに近しいサンプルが観たいと感じがちです。
飲食ならメニューにある写真から、音楽ならiTunesで試聴、家具ならカタログサイトから
イメージを見て購買を決定します。
例えはアレですが、エロサイトのサンプル動画など最もたる例でしょう。

飲食の場合は消え物なので、基本食べたらそれまでですが、音楽や家具などは何度も使うもの、概念的には道具です。

Webサイトも道具の概念のものとして捉えた時、完成品(モック)を見てみたいという
購買者(クライアント)の心理は、わからなくもありません。
そこに予算に応じた金銭的価値があるのかを判断する必要があるからです。

ただ、個人的にこの考え方には決定的なものが欠落していると感じます。
それはその道具(Webサイト)を使って誰に何をどう伝えたいのかが無いからです。

 

デザイナー≒クライアント>?

 

経済的な流れで言えばデザイナーのお客はクライアントです。しかしクライアントのお客は来訪ユーザーです。
先の完成品を求める例で言えばデザイナー(出し手)、クライアント(受け手)になりますが、
本来はクライアント≒デザイナー(出し手)、ユーザー(受け手)とならなければならないはずです。

では、そのために必要な事はなんでしょうか。

 

コンセプトの共有

 

制作物が何かしらのソリューションを担う以上、そのためにはコンテンツがなければいけません。
そのコンテンツの種になるのがコンセプト(概念)です。
人は頭の中にあるコンセプトを、人によっては絵画だったり音楽だったり写真だったりコントだったり様々な方法で表現します。
言ってしまえば、デザインもその方法の1つにすぎません

クライアント≒デザイナーからユーザーへ伝えたいコンセプトは何なのか
デザイナーが手を動かすより先に徹底すべきはそこだと個人的に感じています。
モックのテンプレートをググる前にやるべき事は、コンセプトを把握(共有)する事なのです。

 

どうやって把握(共有)するか

 

哀しいかな今現在、人の頭の中を観る機械は発明されていませんし、
コンセプト(概念)を共有するツールは、私の知る限り、まだ登場していないと思います。(ご存知の方がいらしたらご教示ください!)

「とりあえずイメージ作って」という作業フローに対抗できるこれ!という方法論は、
まだ確立できてはいませんが、既存のツールや、ブレストを工夫する事で解決する事も可能のはず。
そして、コンセプトさえブレなければ、冷静に最適な表現方法がきっと選択できるはずです。

概念を表現するには、声に出したり、紙に書いたり、ブログに書いたり、
頭の中に溜め込まず何度も繰り返しアウトプットし続ける事です。

そうした課程から次第に概念が共有され、コンセプトからコンテンツが生まれツールの選択がされ、
ここでやっと表現方法への着手という正しいプロセスが生まれるはず。

できないクライアントを恨む前にまずはデザイナー自身が、その流れを生める様、
自分自身のコンセプトは何なのか
「やりたい事」「できる事」「求められてる事」の折り合いの中、何を社会へ提供できるのか。
来年に向けて一度、考えてみるのも良いかもしれません。

今回の記事は長谷川恭久さんが更新されているPodcast、Automagi#026「コンペ」と「持ち込み(Spec Work)」について、を参考に書かせて頂きました。
私からの質問にもご回答いただいているので、ぜひお聴きください。

では、良いお年を。

 
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