Monday, August 21, 2017
 

著作権法改正案から学ぶ、デジタルでビジネスをする事の戒め

6月15日の衆議院本会議で、違法ダウンロードに関する著作権法改正案が可決されました。

また同案では、映画などのDVDをコピーする「リッピング」も違法行為として規制する内容が盛り込まれています。
ですが、CDのリッピング=iTunesへの取り込み変換は、現状規制対象に含まれにくいと考えられています。
※リッピングが規制の対象になるのは、「特定の変換」を要する場合のため。
コピーコントロールCD(CCCD)を無理やりリッピングするのは違法にあたる。

既得権益の確保のため、法で規制を行うという行為は過去に何度もあった事ですし大人の都合もあるでしょう。
CDのリッピング自体はセーフの様ですが、その既得権益のフォーカスに提供側とユーザー側とで乖離がある様に感じます。

CDが売れない時代

自分が思春期の頃は小室ファミリー全盛期の頃で、それこそオリコンチャート1位はミリオンセラーを連発。
B’zが何曲連続初登場一位や、いわゆるJ-POPのブームでたくさんのCDが売れました。
自分も多分に漏れずCDは買って聴くのが当たり前でしたので、電気グルーヴのアルバムから
メロコアやスカコアのインディーズまで幅広く買ったものです。(※個人の趣向です)

しかし最近はご存知の通りCDが売れません。

もちろんAKBやK-POPなど一部のコンテンツは売れているかもしれませんが、
握手券やツアー無料ご招待などCD自体よりオマケがあってこそという印象を個人的に感じています。
大物アーティストでも初回限定版など差別化を計ったり豪華なライナーノーツをつけるなど工夫が必要の様。
「売れてナンボ」と言ってしまえばそれまでですが、釈然としない何かを感じます。

どこで利益を得るか。

「CD」を売るには多くの人の手が必要です。
曲を書いたアーティスト自身から、CDショップ、CD自体を作る工場、プロモーション、レコード会社などです。
1枚のCDの中に著作権使用料、原盤印税、アーティスト印税など様々な利権があります。
そのため、最も取り分の大きいレコード会社は「CD」というメディア自体を売りたいと考えます。

しかし、iTunes以降のユーザーの思考はCDを買うというより、
よりコンテンツに寄った「曲を買う」という認識に変わりつつあります。
ユーザーの多くがCD自体を買わずレンタルCDに流動しているのは当然で、
安く目当ての曲が聞ければ良いというのは自然な流れでしょう。

音楽業界自体の収入経路が現状のママであり続ける限り、今の現状は変わらないと思います。
今後CDは一部のマニア向けの商品となり、オマケをメインとした物販が主力になると個人的は予想しています。

物量換算が通じない時代

今は音楽業界の話ですが、Web業界においても同じ事が言えるかもしれません。

Webは幸か不幸かメディアを介して媒介するものではありません。
公開時にユーザーが、そのサイト観るために専用の回線業者やサーバーと契約をする必要もないです。
しかし、見積もりの出し方を1つとってみても、紙の概念がつきまとう場合、1ファイルいくらという換算をしがちです。

Webのリテラシーが低いクライアント等との場合は共通認識を持たせるために必要な概念だとは思いますが、
本来、デジタル商品を扱うものとして、実態の無いデータに物量換算をする事は「気のせい」という枠を抜けれないのではと思います。
紙やCDなら1枚いくらという価値換算が通りますが、1つのWebサービス・サイトを内訳で物量換算するのは、完成されたプロダクトのパーツをバラ売りするのと同じです。

理想論、1ファイルいくらではなく「そのコンテンツ一式おいくら」というのが、デジタル(Web)の見積もりのあるべき形なのでしょう。

今回の法改正は、対岸の火事ではなく、Web業界にとっても「デジタルの世界でのビジネス」について考える良いきっかけになったと思います。
CDというメディアからの既得権益は、今後いっそう得られにくくなるでしょう。流入の経路が変わるという事は、そこにあった利益の水路も断たれるという事です。

ユーザーはよりコンテンツへ、本質への要求が強くなり、ダイレクトにアプローチできる経路へと移っていきます。
既得権益の少ないWebを扱うものとして、そういったニーズに応えられるコンテンツを提供していける様、精進していきたいものです。

 
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