第30回WebSig会議に参加しての感想と自分が考えるWebディレクターのスキルセット
第30回WebSig会議「Webディレクターの過去・現在・未来~これから求められるスキルセット・マインドセット」を聴講してきましたので、雑感など。
Webディレクターというテーマは、Web業界にとって、なかなか扱いにくいテーマなのは、わりと知られています。
大きい理由は「Webディレクター」の定義が、個人や企業によってマチマチな事。
おそらくですが、マークアップエンジニアや、Webデザイナーの場合、使うツールから(例えばマークアップならコーディングのエディター、デザインならPhotoshopなど)定型的にイメージがしやすいというのがあると思います。
しかし、Webディレクターには現状、「ディレクターだからこのツールを使う」というのは具体的にはありません。ディレクションに特化したツールより、「これを使ってディレクションしてる」という程度にとどまります。
そのため、外堀がボンヤリしているのが、端からみて「Webディレクターってどんな仕事?」という印象を生んでいる要因の1つなのかもしれません。
今回のWebSig会議のテーマは、スキルセット・マインドセットという事もあり、その辺が定義される事を(あの場だけでも)個人的に期待しておりました。
印象に残った点
名村晋治さんの「業界特化のディレクションについて」、内山和幸さんの「自社サービスのディレクションについて」、谷口正人さんの「キャリアパスについて」といったところ。
それぞれに自分のWebディレクションのブラッシュアップに良いキーワードをもらえたので、今後より突き詰めていければなと思いました。
特に業界特化のディレクションについては、長年疑問があって「1つの業界に特化してしまうと、クライアントの競合からの引き合いを避けられるのでは?」というのがあったので、また機会があれば、その辺りのやりくりについて伺ってみたいもの。
あと、谷口さんセッションはWebSigではありえないほど「オッパイ」の単語は連発されていましたが、
個人的に『真面目にバカをやってお金を儲ける』って、凄いスキルだと思うんですよね。
それが許されるキャラクター作りって、それなりの計算とコミュニケーション力と時間が必要だと思うので、『自分がWebディレクターとしてどういうポジションにいたいのか』を考える大事さを再認識できました。オッパイはアレですが。
なので登壇の内容としては、登壇の方々のケースを通しての「サイトディレクション時のマインドセット」が主だった内容でした。
正直、少しバラバラな印象があったので、最後の登壇者全員でのディスカッションは、試みとしては面白かったですね。
ただ、もう少し、登壇者同士のクロストークが噛みあうともっとよかったかも。
自分が考えるWebディレクターのスキルセット
前述に触れましたが、まだWebディレクターって「このツールが使えないとダメ」っていうのが定義されていません。
でも、「これができないとディレクションできないよね」っていうのはあります。
自分が思うWebディレクターにとって必要なスキルは、
- 「誰が、何を、いつまでに、どうする」をドキュメントに落とし込める能力
- クライアントのリテラシーに合わせた「ストーリー」を語れる能力
- 「できます」「できません」ではなく「○○したらできます」「○○していただければ、こういうふうにもできます」と仮定を立て、想定される解が語れる能力
- 常に自分で判断し提案の是非を確認する能力
- スタッフ間の共有に抜けがない様、エビデンスに残し、周知するアーカイブ力
- 絶対に期日に間に合わせる(期日いっぱいまで使う)先読み力。
正直、挙げたらキリがないですし、マインドセットとスキルセットはディレクターの場合はどうしてもグラデーションにならざるを得ない部分があります。
逆を言えば、上記を満たせればツールはパワポでもbacklogでもサイボウズでもなんでも良いと思います。
それをベースに個々の環境や案件によって、チューニングしていくしか方法は無いかなと。
ITILなど、プロジェクマネージメントに通じる資格もありますが、持ってなくてもなれてしまうのがディレクターの諸刃なところかもしれません。
セミナー内でもディレクターがプロジェクマネージャーやWebマスター、プロデューサーと混同されている部分がありました。
それだけ分かりづらいという事なんですよね。
自分は「プロジェティスタ」という肩書きを名乗っていますが、個人的にはプロジェクトが完遂さえすれば、
肩書きは”対チーム(スタッフ)に関しては”なんでもよいと思います。(対外的には必要でしょう)
ただ、本質は「職能をたらしめるスキルが大事」というのも見逃せない点だと思います。
今回、Webディレクターをテーマにしたセミナーに参加して、逆説的に「Webディレクター」の立ち回りの幅の限界と可能性を知れたと思います。
今後もこういった機会が増えていく事で、フワフワとしたディレクターのコアの概念が共有されていけば、
より業界全体のスキル向上にも繋がっていくと感じました。
-それにしても#websigの盛り上がり方はすごかったですね。
興味のある方は以下からどうぞ。
-本記事を下記ブログでご紹介いただきました。
ありがとうございます!
■OL男子の4コマ書評
WebSig感想メモとオッパイ
■家入明子のメルヘン黒革の手帳
第30回WebSig会議に参加してきたよ!その2~会議当日です~
11月から独立したフリーとしては新米のウェブディレクターです。
ツールについてですが、一人で進行をやる分には良いですが、私は多くの場合、スタッフとエンドユーザ含めて複数人でドキュメントを共有しながらプロジェクトを回すことが多いので、パワポやExcelが使えないとお話しにならないです。
Google Appsも客先環境によっては使えないですし。
ですので、ウェブディレクターとしてOffice系ツールが使えることは「必須」と私は考えております。