Thursday, March 28, 2024
 

できるWebディレクターは二度、仮説をたてる

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既存PCサイトのリニューアルや新規のスマホサイト展開などが主流となりつつある昨今。

制作作業のディレクションをする上で先方とのキックオフ時などに既存サイトのログやアクセス解析のデータをいただく様にお願いする事があると思います。

Google Analyticsなどアクセス解析からとれるPV、UU、リピート率などから現状分析をし、サイトのあるべき形を探るプロセスは、多様化するサイト制作の第一歩として必要不可欠なものになってきました。

アナリストでしたら現状分析の名の下に批評だけすれば良いかもしれませんが、ディレクション/コンサルが業務であるのなら現状分析が終わったら次は必ず仮説を立てる必要があります。

この時に気をつけたいのは”まずどの立場で仮説を立てるべきか”です。

まずはクライアント目線で仮説を立ててみよう

なぜ、まずクライアント目線で仮説を立てるのでしょうか。理由は”今、手元にある現状分析のデータからユーザー視点での仮説は限界があるから”です。

そもそもの制作の発端は「既存のPCサイトを改善したい」という理由のはずですし、改善の必要があるPCサイトで得られたアクセス解析データからユーザーの動向を最初から読み解くには下地が不十分です。
ユーザー視点に入る前にまずは”運営側がサービス提供したいコンテンツは何なのか”にフォーカスを絞って仮説を立ててみましょう。

サイト上でビジネスしたい場合は、商品情報への導線、CVRが優先でしょうし、実店鋪に魅力がある業態なら店舗訪問を促すため店舗情報の充実が必要でしょう。営業力が強いのならお問い合わせからサポートに繋いで営業をする手法もあるかもしれません。
先方のビジネスにおける利点や本当に提供したい価値をオンライン/オフラインでの差異も含めて多角的に分析しオンラインビジネスのアプローチの可能性を広げてあげましょう。

この時のコツの一つとして、上記の仮説をあげた段階で一度、クライアント側に既知のデータがあるかを伺ってみましょう。仮説の段階で客観的なデータが取れれば施策のコストが省けますし、また新たな可能性が見えてくる場合もあります。

一方通行ではダメ。次はユーザー目線での仮説

クライアント側の立場から売りたいもの、見せたいものが、客観的視点から出揃った段階から、次はユーザー目線からの仮説です。

ユーザーにとって有益な情報は何か、ユーザーにとって情報を探しやすくするためにどうしたらよいか。
ヒートマップやキーワード流入の現状分析などからコンテキストを検証し、UI/UXの部分から、誰に、何を、どこで、いつ、どこへのポイントで十分に思案しましょう。

ここで気をつけるべきは、いきなり見た目上のオムニチャネルな施策を目指すのではなく、チャネルを絞ってターゲティング(単一チャネル)を絞った施策への落とし込みを心がける事です。

仮説は可能性の探求

大事な事は”現状分析->仮説(クライアント目線)->分析->仮説(ユーザー目線)”をPDCAのPlanのフェーズで行う事です。一度の仮説で安心せず細かくフェーズを切り、立場を変え、視点を変えて複数回、仮説を立てる事で、精度を上げる事ができるでしょう。

明確なユーザーターゲティングのためには、一発ホームランを狙う事は非効率です。またユーザー目線からの仮説は大切ですが、十分な下地も無いままに進めたあるべき論では、それは仮説ではなく、ただの主観です。
クライアントのビジネスを再評価し、かつユーザーへ適切にサービス提供する姿勢が大切です。

ディレクターが考えるのは、ゴールだけでなく、そこに行き着くまでの戦略です。データはあくまで、ある視点からの結果でしかありません。
最終的に目指すところはユーザーの満足度向上であるからこそ、情報の視点を意識的に変える事で、クライアントも気づいていない新しいサイト(ビジネス)の可能性を探ることで、ユーザーへ今までにない体験を提供できるかもしれません。

無数にある可能性の中から(現状)一番良い解をどれだけ多く出せるか。それが”できるWebディレクター”の違いなんだと思います。

 
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