Thursday, April 25, 2024
 

無形財サービスのプロとしての心得

「売る」という経済活動を考えた際、すぐにお金に目が行きがちですが、金銭は提供したサービスの対価に過ぎないと日頃考えています。

「売る」もしくは「売れる」ためには、そのサービス自体に「有用性」「効率性」があり、かつ「外向性」によるアプローチからの接触など様々な要素が必要です。街を歩いていて商品の広告を見て、欲しいと思ったから店に行き購入する。至極シンプルな話です。ただ、ここで考えたいのは「何を売る」のかという事。その「何」は大きく分けると「有形財」のものと「無形財」のものの2種に分けられます。

有形財と無形財

iPhoneや車などは有形財の商品(サービス)です。完成された製品自体の魅力をユーザーが認知し、購入する形になります。一方、ヘアサロンやマッサージなど、技術を提供するビジネスモデルは無形財のサービスです。サービスを提供するのと顧客の消費は同時に行われ、やり直しはできないません。また顧客ごとで要望は異なり、品質を標準化することも難しいです。(マニュアル化に走りがちですが。)そして、サービスを前もって作り保管しておくということもできません。

何を売っているのか

Webサイト制作やWebサービスは、技術を提供するビジネスモデルなので本来は無形財のサービスのはずです。ですが、その「技術を提供している」という事の意識が低いWeb制作会社は多いでしょう。それは成果物としてWebサイトやWebサービスが「存在していると思い込んでいる」からかと。確かにデータ上、Webサイトは存在しています。でもWebサイトは公開された同時に中古品になります。そしてユーザーがサイトを利用し、顧客が意図するゴールを提供する道具というのが持論です。それらを支える技術を売るビジネスモデル。それがWeb制作です。Webサイトを納品したら、はい終わりではありません。

サービス・マーケティング

有形財のサービスを売るためには、4つのPが必要です。製品(product)、価格(price)、プロモーション(promotion)、流通(place)。無形財のサービスにはそれプラス3つのP、参加者(participants)、物的な環境(physical evidence)、サービスの組み立てのプロセス(process of service assembly)の計、7つのPが必要です。詳しい説明は、サービス・マーケティングでググっていただくとMBA用語として出てきますので、そちらに譲りますが、特にそれら7PをWebディレクターは意識する必要があります。「まだこの世に存在していないWebサイトを設計し、そこからどんな有用性を生み出せるか、何のために何を作り、どう提供し続けるのか」それらのプロセスを売っているという意識が大事です。

有形財と無形財のサービスを比較し優劣を決める事はできません。(儲かりやすさみたいなものはありますが。)それぞれが社会にとって必要なサービスであり特性は違います。無形財のサービスを提供する事に誇りを持ち、プロとしてサービスを提供しましょう。その際、上記は少しアカデミックですが、自身がこれからサービスを提供しようとする時に考える際の柱の1つにはなれば幸いです。

 

サイトリニューアル制作に効く4つの下拵え

受託でのWebサイト制作の際、近年は昨今の経済情勢などの背景から新たに何かを立ちあげるより、既存のコンテンツに部分的に追加する形や、基からあるサイトのデザインだけをリニューアルして「新鮮味」を狙うという案件が多くなってきていると感じます。

クライアント(担当者)がWebに明るい方でしたら話もしやすい場面はあるでしょうが、やはりプロとしての提案をお願いされる事がほとんどです。「じゃ、提案しましょう。」と一言で言っても、ロジックもなく当てずっぽうではいけませんし、新規サイト制作とリニューアル制作では、フローが違う事が多く、気を使うべき点も多くあります。それらに応じる上での制作時の注意点を自戒もこめて備忘録として。

1.RFPを交わす

クライアントから要件をヒアリングしたら提案依頼書(Request For Proposal)としてまずは文書で交わしましょう。
口約束や作業対象が曖昧だと後々、トラブルにつながります。ここでの注意は、あくまで依頼書であり、企画書ではないという事です。リニューアルと言っても「テキスト情報もそのままでデザインだけ変えるのか」「サイト構成を全面的に見直し、再構築するのか」で工数は大きく変わりますし、場合によっては「一部はママ、他は見直し」などもあるかもしれません。実装においてもシステムへの組み込みは別会社マターという事もあります。他にもリニューアル後の運用は誰がするのか、スケジュールによってはアップするコンテンツの優先度を変え、他は別のフェーズにするのか、SEO施策として別サイトに広告発注はしていないかなども、可能ならこの時に確認しましょう。目的は「このプロジェクトにおいての担当作業は何をどこまで制作するのか」を確認する事です。

2.既存サイトを見直す

まず今のサイト構成がどうなっているのかを確認しないと、提案をしようがありません。サイト全体の構成を把握しましょう。
よく「Webサイト制作は家を建てるのと同じ」と言われますが、言い得て妙です。まずは既存サイトの間取りを確認し、どこになにがあるのかを俯瞰で確認しましょう。この時の注意点としては、ページ単位のコンテンツをどうするかという議論ではなく、サイト構成の大枠を把握することにまずは注力するのが大事です。いきなり細かいコンテンツの話を始めると、時間ばかりかかるどころか木を見て森が見えてなく、サイト全体としてコンテンツの整合性がとれなくなる危険があります。
Win環境でしたらWebSite Explorer、MacならSiteSuckerがおすすめです。WebSiteExploerならリンク切れを起こしてるページなども含めレポートをxlsで出せますので便利です。SiteSuckerは対象ファイルを全てDLするアプリですので、DL後に別途ファイルリストを作る必要があります。自分はAutomatorでフォルダ内のファイルリストを自動生成するツールを作って活用しています。
その際ですが、どちらも1つのドメインしか対象にしませんので、注意が必要です。つまりhttpsやサブドメインの別コンテンツは対象になっていません。クライアント担当者側でも把握してなかったページが存在している事もありますし、ローンチ直前になって作業追加は避けたいもの。この段階で埋まっているコンテンツは可能な限り表に出します。

3.ファイルリストから全ページを確認する

作ったファイルリストからコンテンツ内容を確認します。もし代理店が絡んでいる案件でしたら、PCを囲んで一緒に確認し共有しましょう。
ただファイルリストを投げるだけでは、クライアントや代理店に確認してもらえる事は、悲しいかな期待でません。見積もりにも関わる部分だという事を告げ、不安要素を一緒に洗い出します。既存サイトでFlashを使っているコンテンツがある場合はflaファイルの手配も必要でしょうし、社内の別担当への連携が必要なものもあるかもしれません。想定されるToDoやクリティカルパスやマイルストーンを見つけるのが目的です。

4.もう一度確認

ここまでで、対象サイトの洗い出しから「誰が何をいつまでにどうする」のイメージがついてきた頃だと思います。最終の見積もりを提示するタイミングでもありますので、今一度「いつまでにどこまでをどうしたいのか」をクライアントにヒアリングしましょう。
また、本当にそのコンテンツがローンチの日までに必要なのかも追求しましょう。その場での決裁は難しいかもしれませんが、リソースにも限界があります。無理なものは無理と告げる勇気と、対応可能な作業量を冷静に判断するのが大事です。決定した内容からRFPをアップデートしエビデンスとして提出します。

以降の注意点

見積もりが通ったらいよいよ制作開始です。企画提案書と同時に、リニューアル後のサイトマップ、スケジュール、ページワイヤー等からコンテンツを確定させ原稿作成へ。スタッフ向けにはファイル名や、WBSなどが必要になります。ここでの注意点を以下に列挙します。

  • 既存サイトからサイト構成を変える際は、変更理由を付けましょう。
  • 後になって「このコンテンツが無くなってるんですが、どこに行った?」と聞かれたとき、答えられない事が無い様に。無くなったコンテンツでSEOしていた場合はトラブルになります。

  • ワイヤー作成の際は、いきなり細かいページまで落とし込まず、カテゴリ毎のテンプレート作成にとどめましょう。
  • まず大枠の方向性を確認するとともに、新たに追加する要素(jQueryでナビを改善するとか)の提案を通すのが先です。後で「やっぱ無し」となると修正が膨大となるので外堀から埋めていくイメージが良いです。

  • 「とりあえず原稿は、今のサイトのやつでコーディングしちゃって」はダメ!ゼッタイ!
  • リニューアルでよくありがちなのですが、変更点が少ないであろう箇所は、「テキストもこのままで良いだろう」になりがちです。もちろん置換で対応できる箇所もあるでしょうが、実際は、校正をしないまま進行している事になります。後になって「やっぱり変えなきゃダメだった」となった時、既にコーディング済みのページはやり直しです。スケジュールの都合もありますが、原稿Fix→コーディングのクリティカルパスは、可能な限り厳守する様に心がけましょう。

理想論も交えて記載していますし実際は、この裏には現実的なスケジュール、SEOの手配、クライアントのFix獲得、会社間での政治的な駆け引き?など見えていないタスクや不安要素は、たくさんあります。徹夜してでも間に合わせないといけない案件もあるでしょう。また、これらのステップは、リニューアルの話があってから1週間以内に一気に詰めるのが望ましいです。後の制作期間の確保と手戻りを防ぐためにも初動のスピードと正確さが大切です。

重要なのは「作りながら考えるではなく、考えてから作る」を意識する事。見切り発車をしてもマイルストーンは、必ず存在します。そして無視したマイルストーンは、地雷化すると肝に銘じましょう。不確定な情報のまま進むと現場は混乱しますし、正解の無い作業ばかりでスタッフのモチベーションも下がります。そもそも論、付け焼刃の対応ばかりのコンテンツを見せられるエンドユーザーが不幸です。

誰が為のサイトなのかを制作着手前によく考え、決めるべきものは、制作前に決定させてから着手する。決まらないものは、決まるまで着手しない。スケジュールが無いのなら優先度をつけ、間に合わないものは次のフェーズへ移す。それで良いじゃないですか。だってWebは更新ありき。印刷物とは違うのだから。

 

芸術と商売の不文律

「ものを作る」と一言に言った時、次に考えておきたいのは「誰が為に作るのか」です。

よくある議論で「アートとデザインの違い」があります。個人的には、アートは「自分が作りたいもの」。デザインは「社会が必要としているもの」が結論です。ですがそれらを「価値」そして「金銭」という普遍的な尺度のテーブルに並べた途端、両者は、しばしば対立の物として扱われます。本来は、どちらもニーズ(目的)が違うのですし、個々がもってる価値も違うはずです。もちろん、希少性や市場の相場、原価なども価値を決める要素です。でも、誰しもが使いやすい夢のツールと、一部のお金持ちにしか買えない著名な作家の絵を比べた時、総じて前者の価値は安く見られがちですが、プロダクトそのものより作ったデザイナーの価値は高騰したり。よくあるなんとも変な話。

俺の物は俺の物

Web制作に関して言えば、制作者が作るのは「商品」です。でも制作に携わる人の中には「作品」という言葉を使う人も少なくありません。それは、こちらの調査にもありますが、クライアントも含めた「制作者」の多くは、自分の作ったWebサイトを「自分の物」として捉えている節が強いからです。Webサイト本来の目的は、「閲覧ユーザーに意図する行動をさせる事」ですが、クライアントにしてみれば「作った、見せた、自慢した」では、Webで広報をする価値は半減以下と言って良いでしょうし、実制作者側にも同じ事が言えます。「作る事が目的化している」または「作った後はお客のものなんで関係ない」。そんな無責任な話も聞こえる始末。

後付けの価値

資本主義である以上、金銭的価値を生まない「作品」=商品になりえないプロダクトは、作り手のマスターベーションと言われてもグゥの音が出ません。正直、自分がやっているPictは、その最たる物ではありますが、逆に言えば「こちとら好きでやってんのよ」という話。個性やオリジナリティに拘る近年の風潮にノッて、好き放題しているだけなので文句を言われる筋合いはありません。自分のために作っているのですから。(そもそもで言われた事無いですが。)それに作品にも値段をつける事はできますし、欲しいという方がいればそれは立派な「商品」です。念のため。
また1つ1つは取るに足らないものでも一定量を超えると量感から価値を見出すものもあります。それはまた別のニーズだったりもするのですが、言えるのは「価値は、物や制作者が決めるのではなくニーズが決める」。これは事実と言えるでしょう。

売れてナンボの世の中

そして、一般的には、商品を「作品化」しないためにマーケティングあり、そこで得た裏付けを基に制作されます。その過程で作り手の拘りが発揮される事はありますが、大前提にあるのは「売れる事」です。数字の積み上げが全てを左右する中で、「作る事が好き」という理想を持った制作者の中には疲弊してしまっている方もいるでしょう。実際、仕事で物を作る事を辞めてしまった方も知っています。おそらくそれはアーティストタイプの制作者だったからかもしれません。「作りたいものと作らなければいけないもの」の間で自分の作家性と戦い、我慢をしてきた1つの結果。前述のカリスマデザイナー様方の、それっぽいインタビューに憧れてデザインを始めた人の中には、そんな方もいると思います。

もちろん、アートがダメという話ではありませんし、デザインをする上で作家性は重要です。ただ、作家性を前面に押し出して商売をするのは非効率だし厳しい世の中です。言うまでも無く、個々が持っている個性は大事です。大切に磨きましょう。そして社会の流れやニーズを知る事。そこから常に誰がその商品を必要としているのかを考え、イノベーションする。そのプロダクトをキラリと光らせる個性による粋な演出が、人の心を掴みかつ、作家性を保ちつつ制作で食べていく一番のコツなのかもしれません。

 

Webディレクターとして自信を持つために必要なたった1つの事

Webディレクターに限らずですが、仕事をしていく上で誰しも「自信をつけたい」と思う事があると思います。

環境や社内の状況のせい、上司や同僚からの横やり(受け取り方次第ですが)などもあり、なかなか思い通りに行かない事もあると思います。そのため、利己的になりすぎて殻に閉じこもり、ますます悪い方向に行くこともしばしば。自分も経験があるのでよくわかります。環境に対しての不満は愚痴になり、理由にすると言い訳になります。そして状況(環境)は何も変わりません。自分が変えられるのは、自分自身だけだからです。

日々努力するプロセス

では、WebディレクターがWebディレクターとして自信を持つためには、どうすればよいでしょうか。
Webディレクターの具体的なスキルとしては、進行管理や情報共有、また最新のWeb事情に詳しい事や、浅く広い技術知識などがあげられると思います。ただ、スキルはツールで補完できる部分もありますし、制作においての具体的な技術は適材のリソースに御願いした方が効率は良いです。Web事情も直近で使える情報はそれほど無いですし、知ってるか知らないか程度の違いでしかありません。手書きの漫画家なら、日々、タッチの練習もあるでしょうし、野球選手なら素振り、サッカー選手ならシュート練習などで努力し自信をつける方法があります。ただ、Web制作となってしまうとスキルのアウトソースや自動化が、当たり前になってきている中で個々の制作者のアイデンティティは、揺らぎつつあると感じています。
でも、そんな中、絶対にこれだけは変わらないと思うものがあります。それは「決断する事」

俺が決めるという意志

スポーツ選手の多くや起業した人、またそれに限らず自信をもっている(風にみえる)人は、総じてマイペースな人が多いです。周りの意見を受けつつも、最後は自分で決めれる人。論より衝動や感情を取り、そこから意志を持って決断する人は「自信がある」といえると思います。
ただ、自信の有る無しは、個々が感じるのが本来のはずという事は忘れてはいけません。有る無しの評価は相対的であり、ある人から見たら自信家どころか傲慢に見えてしまう事もあるでしょう。極端な話、そういった評価にすら動じない強い心も必要です。自信は売っているものではないですし、急にフッと湧くものでもないです。表立って出てこない地味な努力の積み重ねが、自分のスキルになり、そのスキルを社会に提供する事で得られる満足感が、自信になるのです。

AとBで選択肢があってクライアントに確認をする際、「AとBがありますが、どちらがよろしいでしょうか?」と「Aがよろしいかと思いますがいかがでしょうか?」は小さい様で雲泥の差です。
また、環境や状況は1条件にすぎません。それを決断の理由にしていけません。常日頃から「自分が決める」という事を意識する事。それがWebディレクターとして自信を持つために必要な日々の努力の第一歩になると思います。

自信は自己完結であるという事を知り、常に愛のあるマイペースの努力家である事。
そこからくる成果物がクライアントやエンドユーザーにとって社会にとって有益な物になると信じる事が大事です。

 

「Instagram」で実現する世界と感性の共有

近年、Webディレクターなぞをやっていると、案件の中にSNSを絡めた提案を求められる事も多くなりました。

もはやTwitterでの情報配信は、当たり前。今ならFacebookのファンページ(オフィシャルページ)制作や、アプリ開発などの提案が主流と言ったところでしょう。どこもSNSというゴールドラッシュを持ち上げ、吸い上げ、切磋琢磨しています。もちろん自分もTwitter、Facebookはやってます。Twitterは自分の考えのアウトプットとして、Facebookは友人とのコミニュケーションとして。また、SNSを生かしたサービスは他にも数多あります。有名どころに人は集中するため、後発のサービスは、逆にSNSの特性から一般に知られるまで時間がかかります。また後発であるため、他との差別かを余儀なくされており、かなりニッチなところをついている事が多いです。「SNSのゴールは社会のインフラ化」が持論ですが、ニッチなところには、「濃い人達」は集まりますが、世論レベルでの広告的価値も薄く、お金が動きずらいので、気がつけば閉鎖となる事もしばしばあります。

あっさりとSNSの壁を超えた

またTwitterやFacebookが、いくらアウトプットに良いツールとしても、その発信範囲は限られています。それは「言語」です。その言語を理解できる人でしか、情報を共有できないという、バベルの塔的な制約が根底にはあります。もちろん、自分が誰に何を伝えたいかがまず有りきなので、「別に海外の人までターゲットじゃないんで」と言えばそれまでです。ただ、Facebookの利用人数は5億人を超え、世界とコネクトできる事が今のFacebookの「唯一」の利点です。国内がよければmixiをおすすめします。匿名だし。で、そういった言語の壁を超え、またTwitterのような気軽さを携えたSNSといえるのが、「Instagram」です。

Instagramは、iPhoneの写真アプリの1つでiPhoneで撮った写真をLomoなどの所謂、トイカメラで撮った様にエフェクトをかけ、アップできるアプリです。
シンプルなその面白さと裏腹にTwitter,Flickr,Facebook,Tumblrといった既存のSNSを利用して画像を共有できるというソーシャルな面を持っています。Instagram自体のネットワークを利用しての共有も可能です。

懐に入り込んだ設計

「写真共有」というくくりでしたら今までも既存のものは数多あります。ただ、自分的にInstagramが他と違って良いなと思う点は、「1.プラットフォームとして基本、モバイルからのアクセス。2.その場で撮った写真に簡易にエフェクトを付けれる面白さ 3.モバイルから直接アップロードできる」といったとこ。Flickrと比較すると、デジカメで撮った写真をPCに取り込むところからがスタートになるはずです。そこすらもスッ飛ばし、画像でTwitする様な感覚は、エフェクトの力を使うとしても、かなり個々の感性の投影に近いといえるのでは。また、写真がメインである事で、課題であった言語の壁をInstagramはあっさりと超えてしまいました。今、自分がInstagram上でフォローしている人の中にはロシア語だったりフランス語の人もいます。でも、なんの心配もありません。ただ彼らがアップする写真を見て、良ければlikeのボタンを押す。自分の撮った写真をInstagram上にアップする。それだけで世界中の人と感性の共有ができます。もはや言葉すら必要ではありません。

その先の課題

商業ペースにするに当たっての広告設置の課題や、プラットフォーム=市場の規模というデメリット。また、利用者側からの「もっとこうしたい!」という要求への対応など、まだまだInstagramがインフラ提供側として持つ課題はあると思います。でも、黎明期の今だからこそ、ユーザーが知恵を絞りInstagramを利用した広告的な使い方もできるかもしれません。飲食店が位置情報を使ってメニューの写真を撮るのも良いでしょうし(既にそれに特化したFoodspottingというのもありますが)、コメントからクチコミのバイラルを狙うのありだと思います。前例が無い今しかできないことがきっとあると思うし、このアプリには、それに応えるポテンシャルがあると個人的には感じています。

もはや誰でも世界に簡単に感性をアウトプットし共有できる時代。Instagramは写真ですが、他のテーマでのSNSツールが、今後どんどん出てくるでしょう。きっと、20年後のデジタルネイティブの子供たちがTwitterを見たら「何だ。文字使うのか」とバック・トゥー・ザ・フューチャー2ばりの事を言いそうだなーと思う今日この頃。