Thursday, August 17, 2017
 

制作は、調整役の漏れや遅れを巻き取るためにいるんじゃありません

h05PM(プロジェクト・マネージャ)という職種があります。
プロジェクト・マネージャは、そのプロジェクトにおいて、各タスクを整理、分解し、誰が、何を、いつまでに、どうするのかを管理します。

それらを制作へと共有し、進捗確認し、作業の遅れが出ていないか、遅れている場合、どれが先にクライアントへ提出できそうかを判断。
タスクとタスクの間のクリティカル・パスを俯瞰でとらえ、決められた納期中に定義された要件の成果物(サイトまたはサービス)を制作と協働しクライアントへ納めるのが仕事です。

PMという職種の流れついてザッと書きましたが、代理店と制作会社間においても端的に調整→制作のフローに変わりはありません。決められたスコープの元で契約が取り交わされ、それぞれのマターにおいて粛々と作業は進みます。そこに何も疑問はないのですが、ただしある前提条件が埋まっています。

制作側はスコープの提示から、必要なコスト、スケジュールを調整役へコミットします。要するに「この要件を満たすにはスタッフが何人必要でこれだけの期間がかかります」と調整役へ伝えます。
見積もりにも関わるところなので当然なのですが『プロジェクト』という大きな粒度でスケジューリングをした場合、大抵、調整の期間と制作の期間は内包もしくは、クリティカル・パスとして認識しきれていない事象が多々あります。
つまり「調整の進捗が遅れても、制作側で巻き取ればいい」という不文律が、往々にして起こりえるのです。

PMがマネジメントしているものとは

当然、制作が着手できるのは、調整役のフローが終わったあとです。調整のfixが遅れれば制作の作業時間が減ります。しかし、納品期限は変わらない。リソースはコスト的に増やせない。調整不足により追加要件も増えてタスクが増える。チェックなどに十分な時間がとれない。よって品質が下がる。というネガティブなフローが後を断ちません。

そのためPMや制作は『期限内に納める』という事に終始し、連日の徹夜やなんとか調整した追加リソースで要件をまとめ納品するものの、チェックなどが間に合わず、抜け漏れもあり、納品後の追加対応も発生する例が多いです。
調整役の多くは「品質を上げろ」などと言いますが、個人的には品質を下げている理由の半分は調整役による作業スケジュールの食い潰しだと思ってます。

PMがタスク管理や進捗管理をするのは、間に合わせるためだけでなく、定義された品質を納品物に担保するのが本来のはずです。
時間がなくなるとそれらが後回しとなりがちで、まさに本末転倒で契約などを傘に何のため作っているのか分からなくなるがままに、ただただ疲弊するというのは、よくある不幸な話です。

制作へ進捗を聞く前に、まず調整役が制作へコミットすべき事

掲題にもあげましたが、制作は調整役の漏れや遅れを巻き取るためにいるんじゃありません。要件を満たすために必要なスケジュールの中で、調整役にはできない作業を代行するためにいるというのが個人的な見解です。
そのために調整役は、まず『その調整がいつまでに調整しきれるのか』を制作へコミットすべき=制作に必要なスケジュールの確保を厳守する事です。

会社間の場合は力関係などもあり制作側から調整役会社へコミットを求めるのは難しいというのはあるかもしれませんが、品質を担保するためには必要なプロセスです。そして、調整役のスケジュールと制作作業スケジュールは基本、別で考えましょう

それらは最も大きいクリティカル・パスであるが故に見過ごしがちですが、制作としてデスマを避け品質を担保するためには、時間が必要であるという事を調整役に伝えコミットがもらえないのであれば納品物について早めに調整を入れるようにしましょう。

理想論も含みますし二次受けや三次受けだとなかなか難しいとは思います。ですが、そこで制作側が調整役へ進言できるかが、下請けとパートナーの違いなのかもしれません。

 
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