Thursday, December 12, 2024
 

恋のユーザー・エンゲージメント

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Twitter、Facebookの台頭などによりSNSを利用したWeb案件が増え、その中で最近よく「ユーザー・エンゲージメント」という言葉を耳に、目にする機会があります。

「ユーザー・エンゲージメント」という言葉自体にマーケティング的なアレな匂いを感じざるを得ないのですが、「Engagement」のそもそもの意味としては「婚約」です。婚約指輪もエンゲージリングといいますね。ただ、マーケティング業界においては、意味が少々違う、もしくはよくある「言葉の一人歩き状態」であるのが実状の様。なので、自分なりに言葉の解釈を考えたいと思います。

俺流「ユーザー・エンゲージメント」とは

前述の「エンゲージメント」が「婚約」という意味を踏まえると広義には「約束」と捉える事が言えると思います。案件を通して考えるなら「情報をサーブする側」と「情報をレシーブする側」との間にある暗黙の約束です。では、何を「約束」するのかですが、そもそもでユーザー・エンゲージメントを狙う目的は、実も蓋も無い事を言ってしまうと「1つのプロダクト(商品・サービス)のトラフィックを稼ぎたいから」です。そのための「盛り上がり感演出」や「プロダクト名のフリークエンシー向上」その結果のために情報のやりとりをする事を「空気的に約束」する事。それが「ユーザー・エンゲージメント」なのかなと感じます。要するに「この商品を売りたいんです。わかってますよね?」的な。

なんとなく感じる脅迫観念

たとえばMacに関して言えば、Apple側が新商品をWWDCで発表したとします。すると全世界のMacユーザーが一気にTwitterやSNS、Blogなどで感想をレビューします。MacのシェアはWindowsと比べたら言わずもがなです。でも、そのユーザーが発する情報の「熱さ」はMicrosoftの新製品発表の時と個人的にかなりの温度差を感じます。そのユーザーが返す、ブランドや商品に対する熱さこそがエンゲージメントです。もちろん反応しなければならないなんて契約はAppleとはありません。でも、ユーザー側が自発的にその商品に興味を持ち、情報を流し、活発な議論が行われています。ニッチゆえの共同体意識でしょうか。

狭くて濃いからこその盛り上がり

個人的結論からすると、ユーザー・エンゲージメントと昨今の世界と逆行し、狭い方狭い方へ進んでいる日本的Webの動向の相性は良いと考えています(皮肉ですが)。ニッチな情報を共有できるユーザー同士で議論し、ユーザー同士でしか通じない言語で盛り上がる。そのコアの熱さから漏れた余熱が未知のユーザーへと広がり、広まっていく。まるで好きな漫画を友達に貸す様な感覚に似ています。自分の知っている情報を他の人と共有したい。共有欲をかきたてる面白いプロダクトは、派生的に広がるポテンシャルを秘めてます。日常会話でジョジョのセリフを使ったり、酒のつまみにワンピースの今後の展開を予想したりなんていうのも良い例だと思います。

そもそも論で、それを「演出」する事に違和感はあるのですが、情報をサーブする側とレシーブする側との関係構築を設計する上で、無視できない事も事実です。翻ってプロダクト、サービス、コンテンツの魅力ありきなのも大事と言えるでしょう。
ただ声が大きいだけの広告展開では実現しえない「商品を通した恋愛関係」を構築した状態。それがユーザー・エンゲージメントなのではないでしょうか。

 
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