Tuesday, October 19, 2021
 

サイトリニューアル制作に効く4つの下拵え

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受託でのWebサイト制作の際、近年は昨今の経済情勢などの背景から新たに何かを立ちあげるより、既存のコンテンツに部分的に追加する形や、基からあるサイトのデザインだけをリニューアルして「新鮮味」を狙うという案件が多くなってきていると感じます。

クライアント(担当者)がWebに明るい方でしたら話もしやすい場面はあるでしょうが、やはりプロとしての提案をお願いされる事がほとんどです。「じゃ、提案しましょう。」と一言で言っても、ロジックもなく当てずっぽうではいけませんし、新規サイト制作とリニューアル制作では、フローが違う事が多く、気を使うべき点も多くあります。それらに応じる上での制作時の注意点を自戒もこめて備忘録として。

1.RFPを交わす

クライアントから要件をヒアリングしたら提案依頼書(Request For Proposal)としてまずは文書で交わしましょう。
口約束や作業対象が曖昧だと後々、トラブルにつながります。ここでの注意は、あくまで依頼書であり、企画書ではないという事です。リニューアルと言っても「テキスト情報もそのままでデザインだけ変えるのか」「サイト構成を全面的に見直し、再構築するのか」で工数は大きく変わりますし、場合によっては「一部はママ、他は見直し」などもあるかもしれません。実装においてもシステムへの組み込みは別会社マターという事もあります。他にもリニューアル後の運用は誰がするのか、スケジュールによってはアップするコンテンツの優先度を変え、他は別のフェーズにするのか、SEO施策として別サイトに広告発注はしていないかなども、可能ならこの時に確認しましょう。目的は「このプロジェクトにおいての担当作業は何をどこまで制作するのか」を確認する事です。

2.既存サイトを見直す

まず今のサイト構成がどうなっているのかを確認しないと、提案をしようがありません。サイト全体の構成を把握しましょう。
よく「Webサイト制作は家を建てるのと同じ」と言われますが、言い得て妙です。まずは既存サイトの間取りを確認し、どこになにがあるのかを俯瞰で確認しましょう。この時の注意点としては、ページ単位のコンテンツをどうするかという議論ではなく、サイト構成の大枠を把握することにまずは注力するのが大事です。いきなり細かいコンテンツの話を始めると、時間ばかりかかるどころか木を見て森が見えてなく、サイト全体としてコンテンツの整合性がとれなくなる危険があります。
Win環境でしたらWebSite Explorer、MacならSiteSuckerがおすすめです。WebSiteExploerならリンク切れを起こしてるページなども含めレポートをxlsで出せますので便利です。SiteSuckerは対象ファイルを全てDLするアプリですので、DL後に別途ファイルリストを作る必要があります。自分はAutomatorでフォルダ内のファイルリストを自動生成するツールを作って活用しています。
その際ですが、どちらも1つのドメインしか対象にしませんので、注意が必要です。つまりhttpsやサブドメインの別コンテンツは対象になっていません。クライアント担当者側でも把握してなかったページが存在している事もありますし、ローンチ直前になって作業追加は避けたいもの。この段階で埋まっているコンテンツは可能な限り表に出します。

3.ファイルリストから全ページを確認する

作ったファイルリストからコンテンツ内容を確認します。もし代理店が絡んでいる案件でしたら、PCを囲んで一緒に確認し共有しましょう。
ただファイルリストを投げるだけでは、クライアントや代理店に確認してもらえる事は、悲しいかな期待でません。見積もりにも関わる部分だという事を告げ、不安要素を一緒に洗い出します。既存サイトでFlashを使っているコンテンツがある場合はflaファイルの手配も必要でしょうし、社内の別担当への連携が必要なものもあるかもしれません。想定されるToDoやクリティカルパスやマイルストーンを見つけるのが目的です。

4.もう一度確認

ここまでで、対象サイトの洗い出しから「誰が何をいつまでにどうする」のイメージがついてきた頃だと思います。最終の見積もりを提示するタイミングでもありますので、今一度「いつまでにどこまでをどうしたいのか」をクライアントにヒアリングしましょう。
また、本当にそのコンテンツがローンチの日までに必要なのかも追求しましょう。その場での決裁は難しいかもしれませんが、リソースにも限界があります。無理なものは無理と告げる勇気と、対応可能な作業量を冷静に判断するのが大事です。決定した内容からRFPをアップデートしエビデンスとして提出します。

以降の注意点

見積もりが通ったらいよいよ制作開始です。企画提案書と同時に、リニューアル後のサイトマップ、スケジュール、ページワイヤー等からコンテンツを確定させ原稿作成へ。スタッフ向けにはファイル名や、WBSなどが必要になります。ここでの注意点を以下に列挙します。

  • 既存サイトからサイト構成を変える際は、変更理由を付けましょう。
  • 後になって「このコンテンツが無くなってるんですが、どこに行った?」と聞かれたとき、答えられない事が無い様に。無くなったコンテンツでSEOしていた場合はトラブルになります。

  • ワイヤー作成の際は、いきなり細かいページまで落とし込まず、カテゴリ毎のテンプレート作成にとどめましょう。
  • まず大枠の方向性を確認するとともに、新たに追加する要素(jQueryでナビを改善するとか)の提案を通すのが先です。後で「やっぱ無し」となると修正が膨大となるので外堀から埋めていくイメージが良いです。

  • 「とりあえず原稿は、今のサイトのやつでコーディングしちゃって」はダメ!ゼッタイ!
  • リニューアルでよくありがちなのですが、変更点が少ないであろう箇所は、「テキストもこのままで良いだろう」になりがちです。もちろん置換で対応できる箇所もあるでしょうが、実際は、校正をしないまま進行している事になります。後になって「やっぱり変えなきゃダメだった」となった時、既にコーディング済みのページはやり直しです。スケジュールの都合もありますが、原稿Fix→コーディングのクリティカルパスは、可能な限り厳守する様に心がけましょう。

理想論も交えて記載していますし実際は、この裏には現実的なスケジュール、SEOの手配、クライアントのFix獲得、会社間での政治的な駆け引き?など見えていないタスクや不安要素は、たくさんあります。徹夜してでも間に合わせないといけない案件もあるでしょう。また、これらのステップは、リニューアルの話があってから1週間以内に一気に詰めるのが望ましいです。後の制作期間の確保と手戻りを防ぐためにも初動のスピードと正確さが大切です。

重要なのは「作りながら考えるではなく、考えてから作る」を意識する事。見切り発車をしてもマイルストーンは、必ず存在します。そして無視したマイルストーンは、地雷化すると肝に銘じましょう。不確定な情報のまま進むと現場は混乱しますし、正解の無い作業ばかりでスタッフのモチベーションも下がります。そもそも論、付け焼刃の対応ばかりのコンテンツを見せられるエンドユーザーが不幸です。

誰が為のサイトなのかを制作着手前によく考え、決めるべきものは、制作前に決定させてから着手する。決まらないものは、決まるまで着手しない。スケジュールが無いのなら優先度をつけ、間に合わないものは次のフェーズへ移す。それで良いじゃないですか。だってWebは更新ありき。印刷物とは違うのだから。

 
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